2015年6月17日水曜日

【Disk Review: Road To Warped 2015 #7】Silverstein "I Am Alive In Everything I Touch" (2015)

ぶれない大ベテランはどこまでもかっこいい。

Silverstein "I Am Alive In Everything I Touch" (2015)
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カナダのポストハードコア、Silversteinの7thです。Victory~Hopelessとレーベルを渡り歩きながらコンスタントにリリースやツアーを重ねてきた彼ら。今回はRiseに移籍してのリリースになりました。活動が長くなればなるほど解散、活動休止、メンバーチェンジ…といろいろなことが起こるのも仕方ないこと。それにもかかわらず、彼らのように一度も活動を止めることなく、かつ一貫したスタイルを持って15年も音楽を続けられるというのは、本当にすごいと思います。

前作の"This Is How The Wind Shifts"に引き続き、今作もコンセプトアルバムという形をとっています。どうやら東西南北でコンセプトがあるみたいですね。



まずインタールード明けのM-2"A Midwestern State Of Emergency"からしてキテますね。どんどん音の大きいさながら壁のようなサウンドに向かっていった結果、メタルコアとの垣根が曖昧になってしまったポストハードコアをあざ笑うかのよう。

そぎ落とされたアレンジでどこかクセになる粘っこいリフと、鮮烈なスクリームだけで一気にSilversteinの世界に引きずり込まれます。曲調云々は毎回少しずつ変化しているのだろうけど、それでも一発で彼らとわかるアイデンティティ的なものは一切ぶれていないんですよね。


そしてアルバムラストのM-12"Toronto(Unabridged)"。これがまた素晴らしい。ここまで彼らのストロングな面をレビューしてきたけれど、そのストロングさを排したところでかっこ悪い訳がないんですよね。メロディーが素晴らしいんだもの。最初から心の弱いところを握っているかのようなエモいメロディーで聴き手を圧倒してきます。

4:29~のバンドが最後に激しさを見せるパートで、メロディーも負けじと一番切ないものを出してくる、このせめぎ合いにはハッとしてしまいますね。

そのほか前作でいう"Massachusetts"的な立ち位置にあると思われるM-5"Buried At Sea"など、随所にSilverstein節の効いたキラーチューンがちりばめられたアルバム。一聴の価値アリだと思います。

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