2014年9月9日火曜日

【考察】Me Vs Heroのプロモーション手法と、その発展の可能性


少し前の話しではあるけれど、イギリスのMe Vs Heroが新譜のプロモーションにおもしろい手法を用いていました。

最近はリリース前にbandcampなどで音源をフルストリーミング可能とするバンドが多くなっていますが、彼らは新譜のフルストリーミングをゲームのアプリとしてリリースしています。

このニュースを聞いたとき、なんじゃそりゃと思いましたが、よくよく考えてみるといろんな発展のさせ方がある手法だなと思ったので、記事にすることにしました。にわかの戯言だと思って読んでみてください。

まずこんな記事を作るにあたって、実際にアプリをダウンロードしてゲームをやってみました。ゲームの内容とか触れることはしませんが、アバウトに言えば新譜の各曲がゲーム内各ステージのBGMになっていて、各曲(ステージ)をクリアするごとに次の曲(ステージ)が始まるというものでした。ゲームがおもしろいかと言えば…笑 といった感じだけど、逆に難しい操作を要求されない分BGMとして流れる新曲は集中して聴けた、というのが正直な感想。とはいえ、ただリリース前に音源をフルストリーミングで公開するバンドが増えている中で、こうしたアプローチは斬新だったので、いつも他のバンドの新譜をリリース前にチェックするよりは、実際に新譜を聴いてみたときに聞き覚えのある曲が多かった気がします。

今回はMe Vs Heroが単独でアプリをリリースしたけど、これってもっと発展させることができるのではないでしょうか。例えばゲーム制作会社とインディーズレーベルが手を組んで、ゲームのBGMにレーベルのサンプラーを用いるとか。

似た考え方としてはかなり前にTap Tap Revengeって音ゲーが流行って、Fearless RecordsやHopeless Records、Metal Blade Recordsなどそうそうたる面々が曲をプレイ可能にしていた、なんてこともあります。ただどのレーベルも所属バンドの数曲がフリーダウンロード可能で、後は課金が必要となるものだったので、当時その数曲をダウンロードしたはいいものの、そこまで多くの曲数をプレイできるわけではないのですぐに飽きた覚えがあります。

実際にレーベルでサンプラーを作って発信されている方に、どういった目的でサンプラーを作っているのか、その効果と限界が何であるかをいつか機会があれば伺ってみたいところではあります。ですが素人ながら、レーベルのサンプラーはそのレーベルがどういった音楽を発信しているのかを公にアピールする一番手っ取り早い手段ではあるけれど、かなり興味を持つ人でなければ、わざわざダウンロードしたりして聴く物でもないので、発信される範囲も限定されてしまうのかなと感じています。シーン内での自分たちの立ち位置を証明することには有効でも、シーンの裾野を広げるには繋がらないというか。

超短絡的ではあるけれど、だったら両者をドッキングさせればいいんじゃないかなっていう話です。ゲームのBGMってずっとプレイする物だから記憶に残りますもん。ゲームのBGMにレーベルサンプラーを使用して、ゲーム内の設定画面とかからサンプラーのダウンロードページへのリンクができるようになっていれば、「ちょっとこのゲームのBGMいいな」って人にサンプラーをダウンロードしてもらえて、そこから音楽にのめり込む人も出てくると思うのですが…いががでしょう(どこにアピールするのか)

こんなこと言うのは、実際に僕もゲームのBGM関連で好きになったバンドがいくつかあるからです。高校の時ずっとやっていたスノボのゲームのBGMが、サンプラーではないものの超有名バンドの音源を集めたものになっていて。名前だけは知っていたIron Maidenはこのゲームで"Run To The Hills"を聴かなければアルバムを聴いていなかったんじゃなかろうか。あとはBilly TalentやOK GOとかは大学に入ってからYoutubeをだらだら漁っていたらたまたまゲームに収録されていた曲のMVに行き着いて、「この曲知ってる!」ってなったのがアルバムを聴き始めるきっかけだったりします。僕だけでなくゲームに出てきたからHoobastankを知ってるっていう、ラウドロックには全く詳しくない友人なんかもいます。テレビCMとかとは違ってお茶の間レベルまでの浸透は望めないけど、ゲームをプレイする若年層にプロモーションをするにはばっちりじゃないでしょうか。

権利うんぬんとかゲームミュージックを作る人の仕事がうんぬんとかあるとは思うけれど、今回のことをきっかけにこうしたプロモーションがもっと広がればいいなあと思った一件でした。

肝心のMe Vs Heroの新譜、今はダウンロードから入手するのが一番手っ取り早いみたいけど、10/8にKick Rock Invasionから日本盤がリリースされるそうなので、気になった人はチェックしてみてください。僕はダウンロードで入手しましたが、なかなかよいですよ。近いうちにレビューも書きます。

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