2014年7月4日金曜日

【Disk Review】Void Zero Mess "For People Who I'll Never Forget"(2013)

Bandcamp上でName Your Priceで公開されているアルバムを今回は扱います。
なかなかオススメです。

Void Zero Mess "For People Who I'll Never Forget"
Rate 4.08/5.00


ロシアはモスクワから160キロくらい南のTulaって町の高速メロディック、Void Zero Mess。このTulaは郊外がトルストイの生誕の地だそうな。それと自動小銃のカラシニコフを作ったカラシニコフさんが勤めていた造兵廠もあったそうで。

今作は前回レビューのRufioのギターボーカル、Scottが1曲ゲストボーカルとドラムミックスで参加していたり、英詩はBelvedereのSteveが手がけていたり、色々豪華。リリースは日本のBells On Recordsから国内盤が出ているけれど、彼らのBandcamp上でName Your Priceでダウンロード可能でもあります。うーむ…笑



たぶん音源を聞いた人の反応は

Rufioか!
Forusか!

の2つに集約されるのではないでしょうか。笑

 メロディーの展開はボーカルの声質も相まってモロRufioみたいなところがあったりするし、曲の展開はForusっぽいタッピングのイントロからRufioっぽいリフをバックに進行して行く、みたいなのが多いし、本当に影響を受けているのだなあと思います。

そういった大好きなバンドのエキスを出すだけではなく、所々メロディックにしては強引とも取れるゴリゴリなブレイクだったり、息を多めに吐いているであろうシャウトが顔を出してきたり、アコギを大胆にフィーチャーしたりするのは曲の幅が広がっていいですね。

ただRufioやForusもファストなドラムにテクニカルなリフをこれでもかと詰め込んでいて情報過多一歩手前ではありますが、彼らはそれ以上に情報量が多いので、聞いてて疲れるのも仕方ないのかな。それと曲の展開も一度曲が終わってるのかな?と思わせてからまったくそれまでの流れとは関係ないブレイクが入ってきたりして、まとまりに欠けがち。比較的きれいに展開がまとまった曲に関しては高い評価をしたのですが、とっ散らかったまま終わってしまった曲の評価がそこまでではなかったため、案外レートが低くなっています。

僕のオススメはRufioのScottがゲスト参加している(どっちがどっちかわからないまである)M-1の"No Regrets"、ちょっとDjentにも近いようなバッキングが印象的なM-6"Patience"、ボーカルの裏でとんでもなくテクニカルなフレーズが飛び交うM-10"Measure For Measure"。あとはM-2"Overcome And Prevail"のアウトロはツボでした。





曲の展開の所は個人的にあまりツボにはまりませんでしたが、それぞれの部分で聞くとむちゃくちゃカッコいいので、これからどうなるかとても楽しみなバンドではないでしょうか。Rufioのサウンドをモダンに落とし込んだバンドを探している、あるいはForusをもう少しハードコアに寄せたバンドを探している人はマストです。あと意外にメジャーに出る前のFACTが好きだった人もハマるかもしれませんね。

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